2018年09月20日

土地区画整理事業について

 当事務所にご相談、ご依頼に来られる方は、以前当事務所の依頼者であった方や顧問先等からのご紹介の方がほとんどです。しかし、中には少数ですがホームページをご覧になられてご相談に来られる方もおられます。その多くの事案が、土地区画整理事業に関する相談か税金と法律に跨った相談です。
 
 私が、専ら自治体の職員を対象とする研修を営む団体である日本経営協会において、長年「公共用地取得の法律実務」「土地区画整理の法律実務」をテーマに講師をしていることをホームページ等で知ったからだと思います。

 今回は、その中から土地区画整理事業に関するお話をしてみたいと思います。土地区画整理事業は、土地区画整理法に基づいてなされる事業であり、多くの場合土地区画整理組合か地方公共団体が施行主体として事業がなされます。相談の多くが相談者に対してなされた換地処分が不服だとの相談です。換地処分は一般に仮換地処分が先行しますので、多くは仮換地処分の段階で相談にこられます。土地区画整理事業においては施行区域の地権者に対して、強制的に換地処分がなされることになるため、換地処分を受けた地権者の中には換地処分の内容が納得できないとして相談にこられるのです。

 結局のところ、換地処分が有効か否かは、当該換地処分が違法か否かということになります。換地処分が違法か否かの判断において重要となるのは、「照応の原則」です。
 照応の原則とは、元の土地(従前地といいます)と換地とが諸条件を総合考慮して大体において同一条件にあると認められる状態にあることをいいます。元の土地と相当離れた条件の悪い場所に換地され納得できないとして相談に来られるケースが多いです。
 私が扱った事例では、元の土地から70メートル程度離れた場所で、鉄道の沿線の条件の悪い場所に換地されたという事案について、この仮換地処分は照応の原則に違反し違法との判決をもらったことがあります。この事案は最高裁まで争われましたが、仮換地処分の違法が確定しました。現在同様の事案で裁判が係属していますが、仮換地処分を取り消し、依頼者の望む場所への変更を前提とする内容での和解が進行しています。その他、従前地の面積が実際の面積より過少に評価されたとしてその違法を争い認められた事例もあります。

 また、直ぐに訴訟を提起するのではなく訴訟をする前に換地処分の不服を争う方法として審査請求を申し立てる方法もあります。審査請求をした事例の中で、換地処分の違法を前提に依頼者の要望を受け入れてもらい、新たに仮換地の変更処分を行ってもらった事例も2例あります。

 土地区画整理事業は、一般の人だけでなく多くの弁護士にとっても馴染みが薄いと思われます。土地区画整理事業や公共事業での買収に関して疑問に思うようなことや分からないことがあればご相談ください。
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2018年09月15日

日本弁護士連合会 人権擁護大会(青森市)

 日本弁護士連合会の人権擁護大会が10月4日・5日の2日間青森市で開催されます。人権擁護大会は日本弁護士連合会の最大行事であり、毎年多くの弁護士が全国から集まって熱心に人権問題について討論を行っております。
 今年は、「外国人労働者100万人時代」の日本の未来、組織犯罪からの被害回復〜特殊詐欺事犯の違法収益を被害者の手に〜、日本の社会保障の崩壊と再生〜若者に未来を〜、の3テーマについてシンポジウムが開催されます。いずれのシンポも魅力的なテーマであり、総てのシンポに参加してみたいですがそれは出来ませんので、外国人の労働問題がこれからの日本の将来を左右する気がすることから、第1テーマのシンポに参加しようと思っています。
 皆様は外国人が日本の社会で働くことについてどのようなご意見をお持ちですか。
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2018年01月25日

弁護士の仕事

 「弁護士は、争いごとを処理するのが仕事で大変ですね。」「今まで弁護士に依頼するような争いごとがなかったので良かったです。」といわれることがあります。確かに、法的紛争(争い事)を解決することは弁護士の業務の中心であることは確かですが、経験を積んで来ると、多くの紛争を経験して来たスキルも考慮され多方面の仕事を頼まれるようになります。弁護士は争い事の代理人ばかりやっている訳ではないのです。今回は代理人ではない弁護士の仕事をご紹介したいと思います。
 最近の会社法改正のメインの一つであるコーポレートガバナンス改革を受け、社外取締役や監査役の仕事を依頼されることがあります。私も現在、ある信用金庫の社外監事(一般の会社でいう社外監査役です)と昨年末株式上場した会社の社外取締役(監査等委員会委員)に就任しており、月平均2回程度は会社へ行って経営会議、取締役会、監事会等に参加しています。いずれの会社も社外役員の発言に耳を傾ける自由な雰囲気があり、私自身も経営者の皆様から学び、触発されることも多く楽しく業務を行っております。オリンパスやりそなHDは、不祥事を経験して積極的に社外役員を採用し(役員の半数以上を社外役員が占めているとのことです)、その後業績もV字回復しているとのことです。これからは、役員が第三者の批判に晒されない企業に展望はないように思います。
 次に、組織において不祥事が生じた場合、最近は外部の人材を入れた第三者委員会を設置してその委員会の判断を仰ぐことが多くなっており、弁護士はその外部委員の供給源の一つになっています。私も、最近では、某市の外郭団体理事の理事としての資質が疑われる事案について、理事としての適正を調査をする第三者委員会の委員や某公立病院の研究者の研究費の不適切な経理処理を巡る懲戒処分の適法性を判断する第三者委員会の委員に選任されました。私の経験では、いずれの団体もこのような第三者委員会における判断を仰ぐことが初めてであったことから諸規定が完備しておらず態勢も整っていないように感じましたが、これからこうした第三者委員会が設置され弁護士がその委員に選任されることは多くなると思います。
 その他、弁護士は、破産事件の管財人に選ばれます。私も現在裁判所から3件の破産事件の管財人に選任されています(その内の1件は、破産会社の代表者の破産事件ですので、実質的には2件といえます)。管財人の業務の中心は、破産会社の財産の換価処分と債権者への公平な配当ですが、弁護士として多面的な処理能力が問われ遣り甲斐を感じる業務の一つです。もっとも私の経験では、倒産事件関係では、民事再生事件の申立代理人が最もその能力が問われるものであり、遣り甲斐を感じます。最近初めて裁判所から医療機器製造会社の民事再生事件の監督委員に任命されましたが、やってみてやはり申立代理人の方が遣り甲斐があると感じました。是非また再生事件の代理人に取り組んでみたいと思っております。
 その他、高齢社会を反映して成年後見人や保佐人等に選任されることも多くなりました。現在複数の成年後見人、保佐人に就任しています。このように弁護士は、紛争事件の処理のみを取り扱うのではなく、会社の役員として、財産の管理者としての仕事も増えています。弁護士のこうした能力もご活用いただけると幸いです。
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2017年10月02日

本年度の活動(日弁連の理事)について

 今年は、日弁連の理事に選任され、毎月一泊二日で日弁連(東京)に通っています。二日とも終日議論、検討に明け暮れています。全国の弁護士(多くは各弁護士会の会長が日弁連理事を兼ねています)が集まって憲法改正、共謀罪法、秘密保護保法、死刑廃止といった政治信念や価値観に絡む難しい問題から、我々の業務に関係する職業倫理、法曹人口、依頼者見舞金制度まで多くの審議事項、要請事項、意見交換を行っています。日々の業務を離れ多くの弁護士が真剣に議論する姿に触れる貴重な機会となっています。
 ところで、久し振りに家族で映画(「三度目の殺人」)を見ました。殺人事件とそれを巡る裁判がテーマとなっており、弁護士からみても色々考えさせることの多い内容でした。名古屋市役所が撮影に使われていることもあり、親しみを感じる映画でした。
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2017年05月22日

世界に例を見ない日本国憲法の恒久平和主義

今年で日本国憲法施行70年を迎えます。日本弁護士連合会は、70年の重みを踏まえ、改めてこの日本国憲法の意義を確認し、立憲主義を堅持する宣言を行いました。この宣言では、日本国憲法は、「戦争は最大の人権侵害である」という強い反省に基づき、世界に例を見ない徹底した恒久平和主義を採用していることを再確認しています。考えてみれば、大日本帝国憲法施行後の55年の間我が国は、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、第二次世界大戦と多くの戦争の当事者となってきました。この間は、まさに戦争の連続の歴史だったといえます。それに対して日本国憲法の施行後の70年の間、同盟国であるアメリカ合衆国が多くの戦争において当事国となっているのとは対象的に、我が国は戦争に巻きこまれることなく平和を堅持することができました。日本国憲法の果たしてきた役割はとても大きいものがあったと思います。今こそ、日本国憲法の恒久平和主義の意義を確認し、世界にその平和主義の理念を広めて行く必要があると思います。
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2017年01月13日

新年のご挨拶

 21世紀を迎えたとき、新しい世紀に期待を抱き平和で愛に満ちた社会が訪れるのではないかと期待していました。当地では、2005年に”愛地球博”が開催され、テーマは貴重な地球環境を守り、国境を意識しない人類愛でした。私はこのテーマに惹かれ何度も会場に足を運びその空気を満喫しました。残念ながら当地の盛り上がりに比べ、中央マスコミがこの博覧会の主題を取り上げることは少なく、全国的な盛り上がりは今ひとつでした。今中央マスコミは、3年先の東京オリンピックを繰り返し取り上げています。わずか3週間の大会のために多額の税金が投下されようとしています。
 一方、格差社会は確実に進んでいます。食事や教育を受ける機会さえ十分に保証されていない子ども達が沢山います。私が子どもの頃は、今より物質的には貧しかったのでしょうが、もっと平等で教育の機会も保証されていたように思います。21世紀はまだ5分の1も終わっていません。21世紀が心の豊かさに重きを置き、平和で安らいだ世紀となるよう微力ながら努力して行きたいと思っています。本年も当事務所を宜しく御願いします。

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2016年10月03日

日本人の団結力

 当事務所がすずらん丸の内ビルに移転して3年目に入っています。これも皆様のご支援の賜と心から感謝しております。これからも宜しく御願いします。
 今回は楽しい話題で行きたいと思います。リオのオリンピックでの日本人選手の活躍は、我々日本人を元気づけてくれました。卓球の男女団体の活躍も凄かったですが、私は黒人選手の牙城となっている陸上短距離において、日本が男子4×100メートルで銀メダルを取ったことに感動しました。お互いを信じて限界に挑んだ見事なバトンリレーが、走力が上回るアメリカやカナダを打ち負かしたと思います。
 日本人の団結力といえば、日本人が連帯して無償で行っている街の掃除が、パリを初めとして全世界の都市に広がりつつあるとテレビで紹介していました。日本人の思いやりの心が世界中で発揮されるのは嬉しいことですね。日本人が持って来た謙虚さと地道に努力する心根を忘れずに行きたいと思います。

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2015年09月26日

平和

 すずらん丸の内ビルに事務所を移転してから1年が経過しました。事務所を移転してから、昔の依頼者が当事務所を訪れてくれる機会が増えました。それも10年、20年の訪問が多く、不思議なご縁を感じております。当事務所のことを忘れることなく、相談に来ていただけることに心より感謝しております。
 さて、この間、近隣国や国内において平和を揺らがすような出来事が重なり、不安な気持ちに駆られることが多くなってきました。平和の大切さは誰も否定しないと思いますが、個人の人生が尊重されるための必要不可欠な条件だからではないでしょうか。平和でなくなると個人より国家優先の価値観が支配していきます。国家の安全を大声で唱える人たちが、実は国家を御旗にして自己の利益、権益の実益を図っていたのが歴史の真実です。
 今、再び安全を聲高に叫び始めた人たちがいます。傍観しているわけにはいきません。
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2014年02月14日

破産・倒産事件雑感〜お金を借りるということ〜

 前回も書きましたが、弁護士になってから、多くの破産、倒産事件を手懸けてきました。そのたびに、なぜ倒産せざるを得なくなったのかを考えさせられます。その原因の一つに、お金を借りることに対する無頓着さがあるように思います。お金を借りれば通常金利がつき、利息を付して返済しなければなりません。借りたお金が将来有用な資産として残る場合、また将来の自分や会社のための投資になることが確実な場合は別ですが、そうでない場合は、慎重な吟味が必要です。買いたいものが、本当に今の自分にとって必要な物なのか、業者の甘言に乗せられて計画性に欠ける建て替えをしようとしていないか等、お金を借りて何かをするときは、もう一度慎重に検討することも大切だと思います。
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2013年12月29日

倒産・再生事件雑感〜銀行との付き合い方〜

 弁護士になってから、多くの倒産、再生事件を手懸けてきました。再生を遂げ成長している事業者もいますが、もう少し早く相談に来てくれれば、こんなに苦労することなく再生ができたのになぁと思うケースもあります。倒産・再生事件においては、どうしても銀行等の金融機関と保証協会の意向が重視されることになります。金融機関に色々お願いしても頑なな対応に終始され、思うように再生手続きを進めることができないことがあります。もちろん、金融機関ばかりに問題があるのではなく、借入れ、返済について十分に検討をしないまま、金融機関にさらなる借入れを求め、企業を存続発展させるために本当に問題となる点に目を背けその場しのぎの資金繰りを繰り返して来た事業者の側にも問題があります。
 現在、借入金の返済で苦労している事業者の方は、一度金融機関との付き合い方を検討してみたらいかがでしょうか。
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