2018年01月25日

弁護士の仕事

 「弁護士は、争いごとを処理するのが仕事で大変ですね。」「今まで弁護士に依頼するような争いごとがなかったので良かったです。」といわれることがあります。確かに、法的紛争(争い事)を解決することは弁護士の業務の中心であることは確かですが、経験を積んで来ると、多くの紛争を経験して来たスキルも考慮され多方面の仕事を頼まれるようになります。弁護士は争い事の代理人ばかりやっている訳ではないのです。今回は代理人ではない弁護士の仕事をご紹介したいと思います。
 最近の会社法改正のメインの一つであるコーポレートガバナンス改革を受け、社外取締役や監査役の仕事を依頼されることがあります。私も現在、ある信用金庫の社外監事(一般の会社でいう社外監査役です)と昨年末株式上場した会社の社外取締役(監査等委員会委員)に就任しており、月平均2回程度は会社へ行って経営会議、取締役会、監事会等に参加しています。いずれの会社も社外役員の発言に耳を傾ける自由な雰囲気があり、私自身も経営者の皆様から学び、触発されることも多く楽しく業務を行っております。オリンパスやりそなHDは、不祥事を経験して積極的に社外役員を採用し(役員の半数以上を社外役員が占めているとのことです)、その後業績もV字回復しているとのことです。これからは、役員が第三者の批判に晒されない企業に展望はないように思います。
 次に、組織において不祥事が生じた場合、最近は外部の人材を入れた第三者委員会を設置してその委員会の判断を仰ぐことが多くなっており、弁護士はその外部委員の供給源の一つになっています。私も、最近では、某市の外郭団体理事の理事としての資質が疑われる事案について、理事としての適正を調査をする第三者委員会の委員や某公立病院の研究者の研究費の不適切な経理処理を巡る懲戒処分の適法性を判断する第三者委員会の委員に選任されました。私の経験では、いずれの団体もこのような第三者委員会における判断を仰ぐことが初めてであったことから諸規定が完備しておらず態勢も整っていないように感じましたが、これからこうした第三者委員会が設置され弁護士がその委員に選任されることは多くなると思います。
 その他、弁護士は、破産事件の管財人に選ばれます。私も現在裁判所から3件の破産事件の管財人に選任されています(その内の1件は、破産会社の代表者の破産事件ですので、実質的には2件といえます)。管財人の業務の中心は、破産会社の財産の換価処分と債権者への公平な配当ですが、弁護士として多面的な処理能力が問われ遣り甲斐を感じる業務の一つです。もっとも私の経験では、倒産事件関係では、民事再生事件の申立代理人が最もその能力が問われるものであり、遣り甲斐を感じます。最近初めて裁判所から医療機器製造会社の民事再生事件の監督委員に任命されましたが、やってみてやはり申立代理人の方が遣り甲斐があると感じました。是非また再生事件の代理人に取り組んでみたいと思っております。
 その他、高齢社会を反映して成年後見人や保佐人等に選任されることも多くなりました。現在複数の成年後見人、保佐人に就任しています。このように弁護士は、紛争事件の処理のみを取り扱うのではなく、会社の役員として、財産の管理者としての仕事も増えています。弁護士のこうした能力もご活用いただけると幸いです。
posted by すずらん日記 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記